バモラ!

世間じゃ特急が始まっているというのに、ようやっと恐竜を見終わったわけで。
2ヶ月半くらいたまってました。

変身しようとすると、なぜかサンバが流れて踊らなきゃならないという
まったくもって意味不明な仕様だったわけですが、中盤以降「メロディが力になる」という
(おそらくは無理矢理かつ後付けの)設定により、意味不明だったものに意味ができてしまった、
とんでもない戦隊でした。

「歌は気にするな!」で押し通してもよかったところを、作中で納得できる形での理屈をつけました。
そして、その理屈が終盤に向けての布石でもありました。

ヒーローの危機に声援を贈り、その声援が歌になるのは王道中の王道といっていい展開ですが、
歌やメロディが力になるのなら、それでヒーローが立ち上がるのも至極当然のこと。
つまり、玩具の意味不明な仕様を、王道展開のための下地にしてしまったわけです。
脚本の『こじつけ力』がとても高いと言わざるを得ません。

しかも、最終盤の重要キーワード「地球の真のメロディ」として口ずさむのは、
視聴者が一年間聞き続けたOP主題歌。
「それしかないよね」という納得の一曲ですし、耳慣れたこの曲ならば、
視聴者……特に、主な対象年齢層のお子様は、誰もが歌えてしまいます。

作中人物だけでなく、視聴者もヒーローのために歌うことができる、
いわば視聴者参加型番組に変化した瞬間です。

視聴者の応援を演出に取り込み、作品と一体化させてしまう……
あ、あれ? なんだか、こういうのをどこかで見たことがありませんか。
っていうか、これ、ミラクルライトじゃないですか?
しかも歌が力になるってことは、どこのスイートさんっていうかシンフォギアだ!!
この番組、シンフォギアだったのかッ!!

最終回にして初めて気づいた、意外な共通点でありました。
あー、びっくりした。


あと、もうひとつ書いておきたいのが「戦士の代替わり」
昔の戦隊には殉職しちゃったり途中で交代しちゃったりした人が時折いたものですが、
今作では『死なない交代劇』を自然に組み込んでいたのが印象的でした。

より正確には『もう死んじゃってる人からの交代』であるため、作品内では殉職してない、
という変化球なんですけども。
まぁ、作品内で死んじゃった人もいますが(しかも二度!)、死んだあとに無双してたりするので
あんまり死んだ気がしないというか。
いろんな意味で、スピリット戦士はうまい設定でした。